ハスは地中の地下茎から茎を伸ばし水面に葉を出します。
草高は約1m、茎に通気のための穴が通っていて、水面よりも高く出る葉もあります。
葉は円形で葉柄が中央につき、撥水性があって水玉ができるのが特徴。花期は7~8月で白またはピンク色の花を咲かせ、 早朝に咲き昼には閉じる。
ハスの花は、清らかさや聖性の象徴として称えられることが多く、「蓮は泥より出でて泥に染まらず」という日本人にも馴染みの深い中国の成句が、その理由を端的に表しています。
仏教では、泥水の中から生じ清浄な美しい花を咲かせる姿が仏の智慧や慈悲の象徴とされ、様々に意匠されています。
如来像の台座は蓮華をかたどった蓮華座であり、また厨子の扉の内側に蓮華の彫刻を施したりしています。
また死後に極楽浄土に往生し、同じ蓮花の上に生まれ変わって身を託すという思想があり、「一蓮托生」という言葉の語源になっています。
『中尊寺ハス』は、昭和25年の学術調査の際、奥州藤原氏四代・泰衡の首桶から種子が発見されました。
その後の培養により1998年に開花に成功、実に800年もの眠りから覚めた奇跡の花です。
現在は中尊寺のほかに、藤原氏とゆかりの深い場所に限り株分けされていますが、かつて豊富な金が採掘され、平泉の黄金文化の繁栄を支えたといわれている西和賀町にも2012年4月に株分けされ、翌2013年7月、見事な大輪の花を咲かせました。
(撮影場所:湯川温泉 中尊寺ハス池公園)