9月某日、秀衡街道ガイドの会の有志の方が、鷲之巣金山跡のある風倉山を探索するという情報を得て、同行させていただきました。
鷲之巣金山は、平泉の黄金文化が栄えた中世の時代、ここから大量の金が採掘され、秀衡街道を通って平泉へ運ばれたといわれる歴史ある場所です(西和賀百景『鷲之巣金山跡』参照)。
その後、大正時代に銅の生産に移行し、昭和50年代まで稼働されていたのだそうです。
現在は立ち入り禁止区域となっており普段は入れませんが、今回は特別に許可を得ての探索というまたと無い機会。
はたしてどんな光景が待ち受けているのか、否応なしに期待が膨らみます。
かつて使われていた古道を徒歩で進むと、金山跡のふもとに辿り着きました。
迫りくるような断崖が目の前に広がります。
坑道跡も、間近から見ると迫力を増しますね。
しかし中世の時代は、どうやってあそこまで登っていたのでしょう?
さらに古道を進みます。
足元の石がだんだん大きく、ゴツゴツしたものが多くなってきました。
稼働時には頂上までダンプが通っていたそうですが、今ではそうもいかなそうです。
(たぶん眠っている)モリアオガエルを発見。
動かざること山の如し。
道はだんだん狭くなってきます。
低い木の枝が頭上を覆い、屈みながら進みます。
メイちゃんはトトロの森で、小さいトトロをこんな感じの小道を追いかけていったのでしょうか。
枝を払い、草をかき分けながら、やっとの思いで頂上到着です!
何やら整地されたような、平坦な土地が広がっていました。
稼働時には何かの施設が建てられていたのでしょうか?
戦隊ものなどは、よくこういう所で戦いますよね。
ニシワガーも如何でしょうか?
西側を望む。
湯川方面の山々や、鉱山跡が見えました。
頂上を東側へ。
岩という岩が赤茶色です。
銅の要素が含まれているからなのでしょうか?
所々に、刺さったままの鉄パイプが見えました。
明らかに、かつて人の手が加えられていたということがわかります。
何だか、ノスタルジックな雰囲気を醸し出していました。
頂上東側からは、秀衡街道鷲之巣口や甲子の家々、遠くには錦秋湖も見えました。
なかなかの絶景です!
断崖なので、見下ろすと結構な迫力!
プルプルしながら撮りました。
サスペンスドラマのクライマックスに出てきそうなシーンですね。
そういえば、平泉が舞台となった大河ドラマ『炎立つ』のオープニングでは、ここの空撮が使われたらしいですよ!
真横から見た坑道跡。
部分的に崩落したのか、皮がめくれたような感じになっていますね。
頂上に開いた坑道跡を発見。
穴があったら覗く、人間の性(さが)ですよね。
人が入れる大きさですが、この穴からは入れなさそうです。
風倉山には、このような穴が大小いたるところにあるのだそうです。
「お弁当、お弁当、うれしいな~♪」
絶景を眺めながらのお昼も、また格別!
「おらいの漬物、けぇ(食え)」
「リンゴも剥いできたがら、けぇ」
「ゆでたまごもあっつぉ、けぇ」
「ミニトマト漬けでみだんだ、けぇ」
「チョコボールも持ってきたがら、けぇ」
「残りみんな、けぇ」
お腹いっぱいです…。
なかなか見ることのできない絶景も堪能し、心もお腹も満たされて下山しました。
帰り途中、突如誰かが「ミズ採りさ行ぐべ!」と。
みな異論なしに、大きい袋を持って川を渡り、対岸の山へと消えていきました…。
いやはや、西和賀のお父さんお母さんたちは元気です。
※この様子は動画ニュースでもご覧いただけます→ 【西和賀NEWS】鷲之巣金山をゆく
【注意】
今回は特別に許可を得て入山しましたが、風倉山は現在、立ち入り禁止区域となっておりますのでご注意ください。
【秀衡街道に関するお問い合わせ】
西和賀町観光協会(0197-81-1135)
西和賀町役場商工観光課(0197-82-3290)