ほっとゆだ駅より直進し、橋を渡るとすぐ左手にあるのが『西和賀町歴史民俗資料館』。
この施設は、西和賀町の文化財に対する人々の関心を高めることを目的として、昭和53年に開館しました。
館内には、古代旧石器時代のものが発掘された大台野遺跡の出土品をはじめ、町内各地にあった鉱山からの採掘物、各種考古資料や民族資料などが多数展示されています。
なかなか興味深いですね~。
早速、中に入ってみましょう!
入り口入ってすぐのショーケースには、遺跡から発掘された約2万年前の石器や、鉱山から採掘された鉱石がお出迎え。
いきなりの貴重な展示物の登場に、奥の展示場にはいったいどんなすごいものがあるのだろうと、心躍らされます。
鉱石というものも、はじめて見たかもしれません。
結構きれいなんですねー。
山の中にこのようなものがあったら、そりゃあ、掘り進めたくもなるでしょうね。
展示場に入ると、これまたたくさんの鉱石のオンパレード!
ひと口に鉱石と言っても、たくさんの種類があるんですね。
水晶の類は、どこかのお土産屋さんで見たことのあるような気がしますが、これも鉱山から採掘されるものだとは驚きです。
当時使われていたヘルメットや発破器などは、鉱山で反映していた当時を偲ばされ、なんだかノスタルジックな気分になります。
先に進むと、そこには西和賀の昔の暮らしを紹介するコーナー。
シュールな顔をした侍姿のわら人形がお出迎えです。
ちなみにこのわら人形は、毎年冬に行われる『人形送り』という伝統的な行事に使われるものなんです。
昔から豪雪や凶作に悩まされてきた地区ゆえの、先人たちの知恵や工夫が凝縮された生活用具の数々が展示されていました。
こちらは、わらびの根から根花(わらび粉)を作るときに使った道具。
わらび粉を使った食べ物は、今では西和賀町の特産品となっていますが、当時は凶作で食べるものがなく、命を繋ぐために決死の想いで生み出したものだったそうです。
お次は、大台野遺跡をはじめとする町内の遺跡から発掘された出土品の展示。
歴史の教科書で見たことのあるような、石器などの出土品の数々。
これらのものから、人間がこの近辺で18,500年前に生活を営んでいたことがわかるということです。
あまりにも果てしない数字でピンときませんが、マンモスがいた時代と言われると、その凄さがわかりますね。
こちらは、藩政時代に用いられた連判書というもので、皆で名前を連ねて印判を押し、連帯を誓った書面です。
人組や部落の連判書は、主として皆で決めた約束事を必ず守りますという宣誓書のような役割のものが多く、これに違反すると村八分にされたそうです。
また、村全体の連判書は年貢や税金のことなどについて、代官や殿様にお願いする内容のものが多いようです。
しかし、当時は大勢のものが揃って訴え出ることは禁じられており、特に先に立った者は重い罰を受けました。
そのため、円形に署名して先に立ったものがわからないようにしました。これを傘(からかさ)連判書といいます。
ここにも、先人たちの知恵が込められているのがわかりますね。
「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」という言葉があるように、先人たちから学ぶことは多いなと、今回の取材で感じました。
また、西和賀の歴史を知るにつけ、新たな魅力を感じることができました。
みなさんも、是非足を運んでみてください。
知られざる西和賀の魅力、きっと発見できますよ!
(さとう)
※館内は撮影禁止ですが、今回の取材では特別に許可をいただいて撮影しました。
開館時間等につきましては、こちらをご覧ください。 ⇒西和賀百景『西和賀町歴史民俗資料館』