こんにちは、小山です。
西和賀町の工芸品のひとつ「あけびづる細工」の取材に行ってきました。
若畑地区「農業高齢者創作館」で高齢者の趣味としたはじまった「あけびづる細工」は、冬の期間になると毎日通い、制作に取り掛かります。
使う素材も自ら採取すると聞き、驚きました。
10月から11月にかけ、葉が枯れ落ちた時期に採取し、乾燥させ、30℃~40℃のお湯に3日につけておきます。
その後また乾燥させるという工程で、素材が出来上がります。
今は、とても貴重になっている「つる」も採取が難しいとのこと。
この「つる」を使い、型に合わせ、2種類の道具と匠の手で編んでいきます。
「ひとりでいるよりここに来てみんなでお話しながら、制作するのが一番の楽しみだ」と笑顔でお話してくれました。
あけびづる細工をはじめて、20年とみなさんベテラン。
一番難しいのは『つるそろい』
つるの選別が一番難しく、同じつるを選んで編んでいくそうです。
「編み方はどうやって覚えたのですか?」の質問にみなさん、声をそろえ「編み方は、見て覚えた」とのこと。
編み方にも種類がたくさんあり、覚えるのに1年。
かばんは、制作して2~3日で完成。
あけびづる細工についてなにもわからない私に、優しく教えてくれました。
西和賀町では、ここ若畑地区でしか制作されていないためとても貴重品で人気が高く、青森県や京都府からも注文がくるそうです。
野生のつるをまるごと使い編んだかばんは、地面を這っている部分を使用するため非常に強く、長持ちし、使えば使うほど、光沢がでて色も変わるそうです。
あけびづる細工のほかに、「やまぶどうづる」「くるみ」のつるを使ったものも制作しています。
農業高齢者創作館では、あけびづる細工を販売もしています。
種類はたくさんあり、かばんのほか、一輪ざしや鍋敷きなどもあります。
また、ここではあけびづる細工の体験もできると聞き、ぜひ私も今度、挑戦してみよう!と思いました。
※来館する際は、事前ご連絡ください。若畑創作グループ ℡0197-85-5440
あけびづる細工をこれからも後世に伝えることの大事さを取材して感じました。
ひとつひとつ手作業で編んでいくあけびする細工。手のぬくもりを感じる伝統工芸品の魅力は素晴らしい!