西和賀は、俳句の町でもあります。
かつて正岡子規が湯本温泉に投宿し、昭和48年には湯本地区出身の山崎和賀流が角川俳句賞を受賞しました。
それにちなんだ俳句の里づくりの一環として、毎年7月の第4日曜日に開催されているのが、『子規「はてしらずの道」俳句大会』です。
この大会は正岡子規が、湯本温泉など東北各地を旅して詠んだ俳句を集めた『はてしらずの記』にちなみ、平成9年から湯本温泉観光協会が主催し毎年行われ、今回で17回目となります。
7月28日、会場となったホテル対滝閣には町内外から多くの愛好家のみなさんが足を運びました。
一部の参加者の方は前泊し、句碑などを中心に町内を散策されたそうです。
選者の先生方。
左から工藤節朗先生、
小菅白藤先生、
小原啄葉先生、
小畑柚流先生、
小林輝子先生です。
開会式が終わり、当日句の選定の間、来賓講師による講演が行われました。
今回はカタクリの会代表・瀬川強さんによる『西和賀の四季』。
スライドを用いながらわかりやすく、時折ユーモアを交えながらお話しされました。
瀬川さん独自の切り口のよる西和賀の自然の魅力には、参加者のみなさんからも感心の声が。
応募作品は、事前に応募された応募句と、参加者が当日に投句した当日句があります。
それぞれより各先生が特選3句、秀逸5句、佳作10句ずつを選定し、さらにその中から特選が選定され、受賞者には記念品が贈られました。
西和賀での想いを、それぞれの視点で詠みあげた句はどれも趣き深く、まるで西和賀の情景が目に浮かぶようでした。
募集句 特選作品 | |
◆子規「はてしらずの道」俳句大会賞
(湯本温泉観光協会会長賞) 難聴は三猿に似て端居かな |
一関市 小山 武三 |
◆西和賀町長賞
幼子を胡座にをさめ夏座敷 |
盛岡市 長谷川 かよ子 |
◆西和賀町教育委員会教育長賞
和賀川の岸より暮るる河鹿笛 |
花巻市 菅野 トシ |
◆西和賀町芸術文化協会長賞
初蝶の寄り添ひ来たる鍬の先 |
盛岡市 高橋 勝吉 |
当日句 特選作品 | |
◆子規「はてしらずの道」俳句大会賞
(湯本温泉観光協会会長賞) 蜩の径をはさみて輪唱す |
北上市 高橋 是光 |
◆西和賀町長賞
蛍火や子規も和賀流も若きまま |
盛岡市 兼平 玲子 |
◆西和賀町教育委員会教育長賞
万緑をくぐり抜けたる瀬音かな |
盛岡市 内藤 照子 |
◆西和賀町観光協会長賞
夏雲や知らぬ同志が足湯して |
北上市 島田 清子 |
◆西和賀町芸術文化協会長賞
橅の葉を煽る涼風子規古道 |
北上市 菊池 芳子 |
最後に、湯田庁舎の方から西和賀FANからも一句と無茶ぶりを賜りましたので、考えましたよ。
ズバリ、西和賀とわかるこの一句。
ビスケット天ぷらにしたら美味かった
…精進します…。
(さとう)