旧川尻小学校の校舎に展示されている「はるまちのはた」。
毎週月・水・土曜日にはライトアップが実施され、昼とはまた一味違った光景を見せてくれています。
今一度、この「はるまちのはた」について…。
この企画は「ギンガク(銀河ホール学生演劇合宿事業)」の美術合宿・「風呂美(湯田温泉峡風呂美術大学)」のメンバーのみなさんが中心となり実施しました。
いらなくなった古着を町内から集め、大きな旗を作ろうというもの。
その旗こそが、「はるまちのはた」です。
全国から集まった美大生などの合宿メンバーと一緒に、古着を提供した地域の人たちも一緒になって旗作りを行い、校舎に飾られました。
※制作の様子などについては、ギンガクスタッフのブログに詳しく紹介されています。併せてご覧ください。
さて、当初の予定より期間を延長して行われているライトアップ。
旗が飾られたころには校舎のまわりにも山のように雪が積もっていましたが、今ではその雪もほとんど消えてしまいました。
雪解けでできた水たまりに、「はるまちのはた」が映えています。
県内屈指の豪雪地帯の西和賀町。
長く厳しい冬を迎えた西和賀の人たちは、やがて来る春を待ちわびながらその日を過ごします。
それだけに、春を迎える喜びはひとしお。
その想いは今も昔も変わりません。
集められた古着には、多くの人たちが過ごしてきた年月、それに比例するように様々な思い出がたくさん詰まっています。
それをつなぎ合わせた旗は、そんな西和賀の人たちがひとつになった象徴とも言えるのではないでしょうか。
もちろん、それに携わったギンガクのみなさんもそこに含まれていることはいうまでもありません。
個人的には、今回の合宿で現場にお邪魔する機会がなかったのですが、こうして夜の西和賀の街を照らす旗を見ていると、携わったみなさんの顔が浮かんでくるようでした。
今年の春は、例年よりも早く訪れました。
雪解けが進んだ町内にはカタクリが風に揺れ、エメラルドグリーンに染まった錦秋湖が春の日差しをキラキラと照らしています。
なぜか県北よりも開花が遅い桜も、少しずつほころび始めてきました。
たくさんの想いが込められた「はるまちのはた」が、春を呼び寄せてくれたのかもしれませんね。
願わくばいつか、ギンガクで全国から集まった学生のみなさんにも、春の西和賀を体感していただきたいです。
旧川尻小学校でのライトアップは、5月3日までの月・水・土曜日、18:00~20:00まで実施されています。
その後は旧左草小学校にて展示され、以降町内各地にて実施される予定です。
今度はどんな光景を見せてくれるのでしょう。
みなさんもぜひ、足を運んでみてください。
(さとう)